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皮膚病の中医学
 中国古来より皮膚病は「瘡瘍(そうよう)」と総称され、外科疾患の一つとして扱われてきましたが、その分類や命名に関しては文献により異なっていることもありますしかし、皮膚病に限らず漢方療法は病名にこだわるのではなく、症状の特徴・全身的な状態を総合的に判断して治療をします(随証治療)。
 さらに、『内に病あれば、必ず外にあらわれる』と中医学では考えますので、皮膚病を表面的な病状としてではなく、全身的な病態であると認識します。
皮膚病の原因
 中医学では、病気の原因を①内因②外因③物理的産物にわけて考えています。
(詳しくは、「中医学基礎講座」で解説いたします。)
その中で皮膚病の「病因」は以下のように分けることができます。

「外因」:風邪、熱邪、湿邪、燥邪の単独又は混合
「内因」:肺気虚、脾気虚、腎虚、血虚血燥、肝気鬱結、心肝火旺の単独又は混合


しかし、中医学的には「外因は内因を通じてはじめて発現する」とされているため、外因は単なるきっかけにすぎず内因が根本的な病変の原因と考えます。

 簡単に説明します。
外因とは、からだの外側の原因のことで、現代医学ではそれをウィルス・細菌・アレルゲンなどと呼びますが、中医学ではそれらを含めたものと生活習慣や気候的な変動も外因としています。
次に内因とは、『体質的特徴』のことを指しています。

 つまり、病気の発生する原因は、体質的な原因で外界や生活習慣はそのきっかけにすぎないと言えるのですが、逆に生活習慣の変動により体質が変化する場合もあるので内因を重視しながらも、きっかけとなる外因も見極める必要があります。
皮膚病の治療の方向性
上記のように、内因改善(体質改善)を主にする治療ですが、表面治療も大切なので漢方的対症療法を同時に行います。
表面治療は主に、特徴的な症状
 ・乾燥(ドライスキン)
 ・水疱やジュクジュク
 ・かゆみ
 ・赤み
 ・腫れ
 ・化膿
などの症状を診て、それぞれに対応する治療方針を考えます。

 内因改善では、皮膚病の方は主に、五臓の「肝」「脾」「肺」「腎」の関わりが多く、幼児・若年層や治療が慢性化している場合は「肝」を重視して体質改善をします。
主に使用される漢方薬(処方)
『外因改善』
・炎症が強い場合には
 黄連解毒湯、三物黄芩湯、三黄瀉心湯など
・乾燥が強い時には
 当帰飲子、四物湯など
・ジュクジュクがある場合には
 消風散、竜胆潟肝湯、茵蔯五苓散など
・化膿している状態であれば
 十味敗毒湯、荊防敗毒散など

『内因改善』
・『肝』の乱れには
 小柴胡湯、逍遙散、など
・『脾』の乱れには
 六君子湯、半夏瀉心湯など
・『肺』の乱れには
 麦門冬湯、清肺湯など
・『腎』の乱れには
 六味地黄丸
といった具合に処方を検討していきます。

 しかし、漢方治療で気をつけなければならないのが(私が意識していることですが)乾燥があるからこの処方、赤みが強いからこの処方といった具合に病状と処方を直接結びつけ、それだけを頼りに処方する方法は、素人の方や漢方に不慣れな治療者にはとても分かりやすく便利なのですが(私も経験を積むまではその方法がベストだと考えていました。)、それだけでは根本的な体質を見極めることができずに、パターン以外の症状の現れの場合に対応ができなくなります。
 その為、しっかりとした漢方治療を考えているのであれば、じっくりと相談ができる漢方専門の相談薬局がおすすめです。
ステロイド軟膏について
 相談者にまず聞かれることは、「ステロイド軟膏」を使用してよいか、病院の薬と併用してよいかを尋ねられます。
 答えは、『使用して下さい・併用して下さい』とお伝えいたしております。
ステロイド剤に関して一時、マスコミの攻撃により、「使用すると悪化する、治らない、皮膚が黒くなる」といった情報が蔓延いたしました。
 ステロイド剤に限らず、対症療法だけでは病気を治すことはできません。

 ステロイドを使用し、その使用を心配しているお客様へ私がお伝えしているのは、『ステロイドはとても効果的なお薬です。そしてその使用する必要性は、患部の掻き傷による2次感染の防止、かゆみのストレスの解消、見た目の改善です』とお伝えし必要性のある場合にはしっかりと使用していただくことをお伝えいたします。ただし、漠然と使用しているのであれば対症療法に浸ってしまっているだけなので、改善策やその使用方法について御指導させていただいております。

 病気は、からだの陰陽バランスの乱れで起こっていますので、治療にも陰陽(東西医療)のバランスの取れた治療が望ましいのではないでしょうか。

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随証治療:病状・体質から「証」を判断し、治療する方法。
「証」は、漢方的診断名で病名ではありません。
アトピー性皮膚炎の大半はドライスキン(乾燥肌)体質である場合が多く、そのスキンケアの仕方も大切になります。
 薬局・薬店であれば医薬品の販売ができますが、販売者の薬学的知識・医学的知識・治療レベルは当然異なります
 まずは相談して、その薬局の考え方や姿勢を聞くことから始めましょう。
 ステロイドとは、腎臓の上部にある副腎皮質から分泌されるホルモンのことで、2種類あるホルモンのうち1つのホルモン(糖質コルチコイド)は炎症を抑える作用があります。
 この糖質コルチコイドを化学合成したものを、ステロイド薬と呼びます。
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